Column実務のアレコレ

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IPOへの苦難の道3 ~マザーズ各種説明資料は一緒に作ろう~

申請資料/IPO

ここ数年よくマザーズ各種説明資料を作ってます。
申請時期が少しでも延びればすぐに更新が必要なこの資料。。
あっちの会社も更新、こっちの会社も更新、、ぬ、抜け出せない、、

まぁ、予定通りのスケジュールで上場出来るところのほうが少ないので、あるあるっちゃあるあるなんですが、ずっと同じことの繰り返しでつまらない 笑

さて、このマザーズ各種説明資料ですが、何かというと、IPOの際に証券取引所(東証マザーズ)に提出する申請資料になります。
関係者の間ではよく「IIの部」と呼ばれています。
もちろんお察しのとおり、IIの部があるということは、Iの部もあります!
でもⅢの部は幸いありません!

たかが申請資料と思われるあなた、なめちゃいけません。なんとこのマザーズ各種説明資料、軽く100ページは超えるボリューミーなものです。
書かれる内容は、会社の沿革であったり、事業の内容であったり、役員や株主の状況、過去の実績数値や将来の計画等、会社のすべての情報が詰め込まれるイメージです。

これを更新の都度、上から下まで他の資料との整合を含めて細部に渡って眺めるわけです。
好きな本ですらこんなに何回も読まないです。人生で何度も読んだ本ランキングを作ったら、会社別のマザーズ各種説明資料が上位にずらっと並ぶ気がします。

そんな僕が経験上、会社の担当者にしておきたいアドバイスがあります。

出来れば一緒に作りましょう!!

結構丸投げされて作るケースが多いのですが、丸投げする方に問いたい… 会社の一番大事な想いが詰まっている事業の内容とかサービスの特徴を他人に丸投げしていいの?
あと…僕との契約切れた後どーするつもりですか?!
契約終了後も当然更新は続くわけです。
よくあるケースが、引き続きお願いしますというケース。当然その分会社側もお金はかかりますし、僕も更新の沼にハマるわけです。
最悪のケースは、しばらく会社側で更新したけど無理だったからやっぱりお願いというケース。大概劣化したものが返ってきます(悲しい…)。

僕がこう言うのは何も更新の沼から脱出したいからではありません。
そりゃお金がもらえるんだから、喜んで沼にハマります!ハマらせてください!

本当の理由は、

審査質問対応のためです。

東証や証券会社の審査質問は基本的にこのマザーズ各種説明資料に記載される事項に対してなされます。
マザーズ各種説明資料を作る際は、どこまで書くかは結構大事な部分です。たまに、「ここはまぁ審査質問のためのエサとしてこういう記載にするか」とかを考えながら記載することもあります。
そのように考えながら作り上げた資料に対して質問されるわけですから、どういう趣旨で記載したかとかは非常に重要です。
これだけは忘れて欲しくないんですが、

審査質問に答えるのは会社の各担当者

です。
質問された事項に対して「いや、私がそういう記載をしたわけじゃないので…」というのは一切通らないです。

なので、出来るだけそれぞれの部署の各担当者が一緒になってマザーズ各種説明を作成するのがベストです。

コンサルという立場上、立ち位置は外部にはなりますが、会社のチームのメンバーとして関与出来れば僕も嬉しい今日この頃です。

 

執筆 宇佐見