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IPOへの苦難の道19 ~予実差異管理~

経営計画/IPO

予実差異管理、、読んで字の如く予算と実績の差異分析を行おうということですが、意外ときちんと出来てない会社が多いので、今回は予実差異の管理について解説したいと思います。

ではでは、何故そもそも”予実管理が必要か”ですが、

上場会社になった場合は会社の業績予想を投資家に開示しなければならないわけです。
ということで、投資家に「なんで予想とズレたんですか?」と聞かれたときに

「なんかわからないですけど、ズレちゃいました」

なんて言えないわけです。
もちろん言っちゃダメなんて決まりはないですけど、その後の株主の行動は予想に難くないです。
個人的には言ったらどうなるか事例としては見てみたい気もします。

そうならないために上場審査の段階でも予算と実績のズレの要因は細かく質問されるので、まぁそういう事態になる会社は基本的にないかと思います。残念です。

ではではどのレベルまで予算が必要かというと、PL項目の各勘定科目レベルでの予算はマストです。
それも細かい内訳も含めて。

そのレベルで作っておかないと予算と実績がズレたときにどうしてズレたかわからないわけです。

僕自身も経営企画時代に予実差異分析していたときは、

この費用はそもそも予算計上されてたのか?

といった感じで割と細かく予実をみてました。

ここでよく僕自身が遭遇するのが、
予算が勘定科目別に作られていないとか、科目別にはなっているけど中身がない(過年度のプラス10%増とかのよく根拠がわからないような作り方とかをしているとか)といったケース。

後で実績とズレた理由が説明できなくなり、審査で質問され、きちんと答えられず苦しみます。
嘘と思われる方は試してみてください。
予算を作った人間に殺意を少なからず感じる人も出るかと思います。

もちろん予算を作る作業はすごく大変です。
それでもあえて言わせてもらいますが、最悪申請期も延びてしまう可能性もあるので頑張って作ってください!

後での苦しみより先の苦しみのほうがまだダメージは少ないかと思います。

 

執筆 宇佐見