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IPOへの苦難の道15 ~基幹システムの改修(J-SOXへの対応)~

J-SOX/IPO

そろそろ基幹システムを改修して会社の業務をより効率化させたいと考えられている方もいるのではないでしょうか?
今回は基幹システムの改修とJ-SOXとの関係について説明します。

さて、それではまずJ-SOXとは何ぞやですが、

簡単に言うと”財務報告(損益計算書や貸借対照表)に記載されている数値の信頼性を確保しよう”という制度です。

皆さんは株式に投資するときどうしますか?

普通はその会社の売上であったり利益を確認しませんか?

しますよね。これからはする前提で説明します 笑

その時にその売上や利益が正しい数字でなかった場合を考えてみてください。

投資先の利益が100億だったところ、実際は赤字だったら?

これはもう恐ろしいことですね。発狂しますね。

J-SOXはこの数字が正しいものとなるように社内の体制を確保しようという制度となります。

例えば売上を計上するのでも、

受注→請書発行→商品発送→納品書の入手→請求書発行→売上計上

という流れが基本になるかと思います。

この例の場合、J-SOXはこの一連の流れがきちんとなされているのかを評価し、売上額が正しいものであることを評価するものとなります。

さて、それでは本題の基幹システムの改修ですが、

基幹システムの改修はこのJ-SOXに大きく影響を及ぼします。

基本的にはこれまで紙で行っていた書類のやり取りを電子化にする流れになるかと思います。また、同時に業務フローの見直しも加えることになるかと思います。

ということはこれまで行っていたJ-SOXに基づく評価の対象に基幹システムが入ってくることになります。

これはかなり大変です。
正直システム関係の知識を有している人が社内にいないと、そもそもその基幹システム内のフローが正しいものか評価できなくなります。

ということで、とりあえず改修してから対応を考えようというのはやめましょう!

よく外部のシステム開発業者に任せている会社を見ますが、IPO上はこれはNGです!

基幹システムの改修と社内のシステム管理担当者は必ずセットです!

コストも嵩むので基幹システムの導入・改修は慎重に検討しましょう。

 

執筆 宇佐見