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IPOへの苦難の道21 ~経理機能の大切さ~

経理実務/会計

最近改めて”経理が出す数字って大事だな”と思うことがあったので、IPOにおいて経理がどれほど重要な役割を担っているのかを解説したいと思います。

僕自身も色々なIPO準備会社に関わる中で、やはり経理の部分にも関わる機会が多いですが、IPOを目指す会社って中小企業の会計なので基本ボロボロです。

そのボロボロの感覚に慣れすぎていました。
いやぁ〜、慣れっていうのは恐いですね〜。

ちなみに上場を目指す場合は金融商品取引法に則った数字を決められた期間に出せるほど経理機能を強化しないとだめですが、今回はそれよりも前段階の”月次で数字を締める”という部分で語りたいと思います。

経験上はIPOを目指し始める会社は、年に1回顧問の税理士の先生が決算を締めて確定申告をしている状態が多いです。
そこからまず月次レベルできちんと数字を確定するというところを目指さないといけないわけです。
そのためにはまず資産と負債の残高が正しいかどうかの部分から確かめにいく必要があります。

個人的にはもうちょっと税理士の先生も数字をきちんと出せるように会社に助言してあげたほうがいいんちゃうか?と思います。

あ、別にすべての税理士をディスっているわけではありません。ただ、僕が関わってきた会社の8割の税理士さんの質は酷かったです。こんなんでよく税理士なんてやれてるなレベルです。そのおかげで結構大変な目にあってきたのでここでの悪態はお許しくださいm(_ _)m

さてさて、本題に戻って”IPOにおいて経理機能がどれだけ重要か”ですが、

上場会社は目まぐるしく変わる外部環境や内部環境に対応するため、必ず月次で数字を確定し、経営会議、取締役会で実績、今後の予測等を議論できる体制が必要です。

そのため毎月10日くらいには前月の月次決算を終わらせる必要があります。
これが中々大変です。

請求書が毎月10日までに届かなかったり、
従業員の経費精算等が後から後から出てきたり、
これまで対応していなかった会計基準に準拠しなければならなくなったり、
経理から他部署への要求が増えるので、他部署の抵抗に遭ったり、
等々

もちろん経理は経理でやることがめちゃめちゃ増えるのですごく大変です。

過去に関わった会社では、取締役会で数字が確定せずに月次の報告が出来ず、ひたすら謝る管理部門の役員さんの姿が中々に気の毒でした…

さすがにそろそろテコ入れしないとダメか…と思っていたところ、その役員からヘルプ要請がありました。
…まぁ、そりゃそうですよね…

まぁ、それ以上にIPO上で数字が出ないことで最も影響が大きいのが、

申請資料です!ずばりⅠの部、Ⅱの部!

この申請資料が数字の入れるところが多いんです。
ということで、経理の数字が出来上がらないと永遠に完成しない資料になります。
そして、永遠に上場できません。

まぁ、何よりもやっぱり会社の経営者としてはタイムリーに会社業績を知りたいでしょうし、会社の業績がわからないと不安になると思います。
上場出来る出来ない以前に会社として”次の一手”を考えるためにはやっぱり経理が数字を出すということが重要になります。

 

執筆 宇佐見